共働き同棲カップルの我が家に保護猫がやってくるまで

今月から我が家に猫がきました!

この子はペットショップから来た子ではなく、
譲渡会を通して保護猫ボランティアさんのおうちからやってきた、
いわゆる「保護猫」出身という扱いになります。

近年、インターネットでは猫人気が高く、「猫を飼いたい」という人も増えているかと思います。
また、徐々に「保護猫」の認知もあがっているようです。
その一方で、保護猫を巡ってはあれやこれやのよくない噂が流れています。
あと、保護猫を迎え入れたくても、条件や先方との折り合いが合わず途中で諦めた、という人も数多くいるようです。

「今はペットを飼える環境にないけど、これから猫を飼いたい」
「出来れば保護猫を迎え入れたい」
「保護猫も検討しているが、条件が不安」

という方に参考になればと、我が家に猫が来るまでの一連の流れを残しておきたいと思います。

第一関門:ペット可物件を見つける

みなさんはペット可物件に住んでいますか?

実家に住んでいる人を除けば、かなりの人は否と答えるのではないでしょうか。

大手賃貸サイトで「ペット応相談」にチェックを入れると一気に数が減少します。
不動産屋でも「ペット可」の希望を伝えると、担当者が悩みだし一気に紹介される物件が減ります。

自分たちの場合、双方の通勤の事情からあまり郊外に住むわけにもいかず(前の記事参照)、
かといって予算が潤沢にあるわけでもなく、その他条件も含めるとかなり厳しい状況。
正直、自分も諦めかけてたんですが、同居人の強い意志で条件に合うペット可物件を探すことになりました。

とはいえ、最初から物件はかなり絞られることが予想出来たので、自分たちの場合は最初から「ペット可物件」を主に扱っている不動産業者さんに紹介をお願いしました。
住みたい駅もありましたが、条件厳しくなるとそうも言ってられないので、通勤できそうな範囲を広域で伝えその中から探して頂きました。

様々な地域の物件を紹介され、東京区部を横断する距離を丸一日かけて内見に付き合っていただき、ようやく今の墨田区の物件に決めました。それまで聞いたこともないよう縁もゆかりもない駅でしたが、駅から徒歩一分というのが決め手でした。
猫のことだけ考えるともっといい物件はあったかもしれないですけど、人間の条件をクロスチェックしているとかなり絞られてくるなー、という印象でした。

不動産広告に「ペット応相談」と書いてあっても、無条件にペットを飼えるわけでもなく、ペットの条件は物件ごとに違います。あくまでも「ペット応相談」です。
一番受け入れられやすいペットは小型犬で、猫はあまり歓迎はされません。理由は壁をひっかっくから。
あと、頭数への制限も多いです。今の物件も、犬または猫1匹までという制限です。

今のところそんな予定はありませんが、多頭飼いを検討するとなれば更に厳しい条件との戦い(あるいは人間の妥協)が待っているだろうなー、という印象でした。*1

そういったペットの条件について先方に確認したりするノウハウなど、ペット可専門の業者さんはかなり頼りになりました。なにより担当者がペット好きで、親身になってくれたのも好印象でした。
正直、今の賃貸不動産業界はデータベースを共有化しているので、地元の不動産屋に拘る理由も少なくなりましたし、どうしてもペット可物件を探したいという方はペット可専門の不動産業者はおすすめです。

第二関門:猫の譲渡会にびびる

さて、ペット可物件に引っ越しましたが、当たり前ですがそれだけでは猫は来ません。
人間の引っ越しが落ち着いたころ、猫の検討を始めました。

猫の貰い方には大きく分けて以下の五つがあるかと思います。

・近所で拾ってくる
・知人・友人から貰い受ける
・ペットショップで買う
・ブリーダーから買う
・保護猫等を貰い受ける

このうち上3つが日本の三大「猫の入手ルート」らしいです。みんなそんなに子供が拾ってきた、とか友人からもらった、みたいな感じで飼い始めたりするものなのか!わりとびっくり。

閑話休題、上二つはさすがに運頼みすぎなので、現実的には下三つが検討対象でした。
ちなみに、「猫を飼いたいんです」って職場とか周りに言ってると、子猫の里親探ししている人を紹介されることもわりとあるらしいので、公言するのは大事なようです。

自分としてはそこまでペットショップに否定的ではなかったのですが、品種にそこまで強い拘りもなく(猫はだいたいみんなかわいい)、同居人が保護猫を貰い受けることを主張したこともあり、保護猫を迎え入れる方針に決めました。

保護猫コミュニティの単身男性への冷淡さなどのネットの噂は聞いていましたが、まあ彼女と一緒に住んでいるし条件に関しては何とかなるだろー、と最初は思っていました。家族形態としては実質新婚カップルと変わらないわけだし、女性中心のコミュニティであればパートナーシップの多様性とかに理解あるだろー、と。

で、いざ地元の某保護猫ボランティアのNPOのサイトを見てみると……

・単身不可
・同棲カップル不可
・60歳以上の高齢者不可
・6歳以下の子供のいる家庭不可
・6時間以上のお留守番家庭不可

いや、無理でしょ!!!!全世帯のうち専業主婦がいるの5%ってこの間統計出てたやん!!!?
考えられるボリューム層としては、50代ぐらいで子供に手がかからなくなったパートタイム(3時間)主婦がいる家庭とか?
というか、同性パートナーシップ条例への配慮とかないの??東京の団体でしょ??

もちろん、そりゃー同棲カップルがうっきうきの気分のまま猫飼いたい!みたいな浮かれた軽い気持ちで飼うのを防ぎたい、という気持ちはわからんでもないですけどね。
でも、うちの場合は話し合って今のところ法律婚はしない、という合意をしているし、ペット可物件に住むためにそれなりに安くもない出費もしてるし、浮かれているところがゼロではないだろうけど、なんだかなぁってみたいな感じで結構心折れそうでした。
条件に心折れるというよりも、この手の条件を掲げてい違和感をもたない人と話すのに神経削られそうだなー、と。

保健所(動物愛護センター)から直接迎え入れるという手段もあるのですが、なにせお役所ゆえに引き取りの前提となる講習会等は平日が多く、仕事抱えている社会人にはなかなか厳しいものがあります。

とはいえ、保護猫を迎える強い意志を持っていた同居人が(本当に同居人さまさまです)、「同棲カップル不可」を掲げていない団体や個人ボランティアをピックアップしてくれ、譲渡会に出かけることにしました。
いざ探してみると同棲カップルOKをわざわざ掲げてはないですが、同棲カップル不可としてない団体や個人もそれなりにあります。そうした団体さんが行っている譲渡会に行ってみることに。

最初に行ったのは埼玉の小さな譲渡団体さん。動物病院の端っこを間借りして譲渡会を行っていました。
いくつか簡単な注意事項を言われ、実際猫たちと対面。

みんなめっちゃかわいいいいいいいいい

猫は人よりも場所につく、なんて言われ、初めての会場だとびびってしまう猫が大半な感じです。
とはいえ、人馴れ?新しい場所慣れ?している猫もいて、何匹か抱っこさせて頂いたりしました。
現場のボランティアさんがとても親切に対応してくださり、好感をもちました。逆に言えば、ここで好感を持たなかったら、保護猫を迎え入れるのを諦めてたと思います。

現場でボランティアされている方とお話をした際、同棲不可の懸念を伝えたところ、「実はうちも籍を入れてないよねー」とおっしゃってたのもなかなか心強かったです。人間集まれば当たり前ですけど、色んな人いますもんね。
結局、その場では決められなかったのですが、大変参考になり、わが家が保護猫を迎え入れることに肯定的になったのもこの団体さんのおかげです。

実際、その後も何件か譲渡会に参加した感想をまとめると以下のような感じでした。

・ボランティアさんのメイン層は40代、50代の女性
・ゆえにインターネットが苦手の人が多いようで、ネットの更新は得意な人に任せっきりになっていることが多いよう(HP見てたときになんとなくの違和感の理由が解消した)
・里親希望の人も同じく40、50代ぐらいの夫婦が多い
・かわいい猫は(当たり前だけど)、早めに里親が決まる
・でも、みんなかわいい。けど、譲渡会場では怯えている子が多い(仕方ない)
・譲渡団体も(本音でいえば)、今いる猫の里親を探して、新しい子を保護したいので、こちらが怪しくなければ早く譲りたい感はひしひしと伝わる
・里親に求める条件見て、二人で「だめだねー」って話していると、「本気でその子が好きなら説得しますから諦めないでください」と言われ、結局は印象と熱意なんだなー、と(就活か)

第3関門:猫を決める

今どきの飼い猫は10年どころか20年も生きる猫もいるそうです。猫も高齢化社会なんですね。
うちの子も長く生きてくれればなー、と思いますが、それはさておき、10年、20年付き合う子を決めるんですから、そう簡単には決められません。

結構、これが関門です。

ペットショップならば、ある程度品種が決まっていてターゲットを絞りやすいですが、出ている猫がほぼ雑種の保護猫業界だと、決める要素としては「見た目」「若さ」「性格」(人懐っこさとか)といったところでしょうか。
なんか人間社会の就活とか婚活とか諸々思い出して、嫌になる要素ですが、10年20年一緒にいる、かつ選べる状況だとどうしても欲が出てきます。

飼う方の人間が複数いると猫の見た目の好みをすり合わせるのも大変ですし(猫の見た目の好みなんて話し合ったことないし)、そもそも猫なんてだいたいみんなかわいいので「98点」「96点」ぐらいの差しかなくてめっちゃ悩むんですよね。

わが家では同居人の希望が「明るい色の子がいい」とのことだったので、白色や茶色の明るい子を探すことに。

そして、ネットの里親募集サイトで見つけたのがこの子でした。

このブルーアイがきれいな子は個人のボランティアさんの家で保護されており、特に同棲不可の条件もなく、他の申込みが(見たところ)なかったことから、保護主さんにコンタクトをとることに。

最初にコンタクトをした際には、色々こちらの事情をヒアリングされ(質問は常識的な範囲でした)お伝えすると「(まだ当時は4、5ヶ月の子猫だったため)、お留守番時間が長すぎる」ということで、一旦話が流れかけました。
どうしても、昼間に双方フルタイムで働いていると8時間以上はお留守番時間が発生してしまうため、こればかりは譲れません。

とはいえ未練があったので、「もう少し大人になっても、里親が決まっていなかったらご連絡ください」とお伝えしてました。

その後、猫が六ヶ月になったあたりで保護主さんからお声かけいただき、千葉の保護主さんのところに見に行くことに。

猫と保護主さんとお会いし、お留守番ができることを確認し、譲渡をお願いしました。

その後、二週間で猫を迎えるための準備をしたうえで、保護主さんがわが家に連れてきてくださりわが家の一員になりました。

その際、誓約書を書きましたが、約束事としては去勢手術程度。ネットの色々な噂で言われていた、源泉徴収票だのマンションの契約書や住民票などは特に提出を求められず、全面的に信頼していただきました。
その後も、健康状態など適宜相談させていただいており大変感謝しています。

そんなこんなで我が家の一員となって、今日も一緒にいます。

猫がくるまでも来てからもいろいろありましたが、結局は折れない心と熱意だなぁ、と同居人に感謝してます。

同居人が猫が来てからの奮闘をブログとツイッターに書いてくれているので、興味ある方はこちらもご覧ください。

はじめての保護猫里親生活~えんじゅとの毎日~ | 保護猫【えんじゅ】との生活を記しています。猫飼育初心者ですが、がんばります。
えんじゅ (@aenje_0419) | Twitter

みなさんも良き猫ライフを!

*1:しかし、ネットでみてはいたけど猫を飼いはじめると多頭飼いしたくなるって本当ですね